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今日は、直腸がんによってオストメイトになったお話です。
未知のウィルスコロナ感染が広がり、緊急事態宣言が出された、2020年4月、
直腸がんであることがわかりました。
大学病院へ回されたそのときには、すでにひとつの選択肢しかありませんでした。
命を救うためには、直腸を全摘し、人工肛門になること。
当時はコロナ禍で、人にも会えず家に籠っている状態だったこともあって、
がんであることは身内の家族だけには話していました。
しかし、それによってオストメイトになったことは、
夫以外誰にも知らせていませんでした。
このことは誰にも言わず墓場まで持っていこうと思っていました。
オストメイトであることは、まだまだ社会では認知されていませんが、
オストメイトであるひとは、
公表せず、普通にお仕事をされている方が多いと聞きます。
ですが、このことについてほとんど正確に伝えられることはありません。
2021年日本国内人工肛門保有者人口は、約25万人以上といわれています。
自分ですら、この病に罹らなければ知ることもありませんでした。
なかなか人に理解してもらうのは難しいことだと思います。
もしそのようなことを聞かされる、逆の立場ならば、
その瞬間からどのように接してよいかわからず戸惑い、距離を置いてしまうかもしれません。
そう考えると、また元のような人間関係が崩れるような気がして、
また、それによって自分が傷つくのが怖い、
だから、人には知らせずに、いままでどおり過ごそうと思っていました。
オストメイトになって3年なろうとしていますが、
やっと、その生活にも慣れ、普段通り生活できるようになりました。
でも、この身体になってからは、遠出はもう無理かなとあきらめていました。
そして、だんだんと外出することが少なくなり、家に籠ることが多くなりました
(コロナ禍であったことも影響していますが)。
そんな私を見た看護師さんが、あるとき声をかけてくださいました。
「せっかく元気になれたのに、
好きな旅行に出かけたり楽しいこといっぱいしないと。」
「そうだった、せっかく元気になれたんだ、好きなことができるんだ。」
と、やっと気づきました。
まず、いままでどおり旅行にいけるよう、娘にはオストメイトであることを告白することにしました。
病罹る前と同時にコロナ禍になる以前は、遠方に住む娘とよく旅行に出かけたりしていました。
オストメイトの告白。
どのように説明したらいいのだろう。
ネットで検索しても見つかりません。
もっと語彙力があればうまく話せるのに・・。
考えれば考えるほどわからなくなり、一か月ほど悩みました。
あまり詳しくは話さず、簡単に言えたらと思いました。
今は、ネットで調べればわかりますしね。
「いままで心の整理がつかなくて誰にも言えなかったけれど、
やっと話せるようになったので、OOちゃんにだけは話しておこうと思って。
がんの後遺症で、命と引き換えにストーマをつけることになって。
デリケートな問題だから誰にも言っていないけれど、
OOちゃんに話しておかないと前にすすめないしね・・。また一緒に旅行行こう。」
「また出かけられるようになったんだね!行こ、行こう!
体調悪くなったときには言ってね。」
思ったよりさらりと終わりました。
やっと一歩踏み出すことができました。
最後までおつきあいいただきありがとうございました。
皆様にとって素敵な一日になりますように。