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先日のニュースで、
長崎大学病院で、がん手術後女性が死亡した医療事故があったことが報道されました。
この女性患者(54歳)は、子宮体がんの手術を受け、2週間後に自宅で大量出血し死亡したと発表。
病理解剖した結果、子宮に近い左外腸骨動脈に約2ミリの穴が確認され、
同病院は10月24日の院内会議で医療法に定める医療事故に当たると判断しました。
女性は初期段階のがんで、手術をすればほぼ助かるケース。
手術の際には、手術支援型ロボット「ダビンチ」を使用した摘出手術を受けていました。
病院科長は、
「手術中に傷を付けたという認識はなかったが、
手術14日後に起こったことであり、死亡のきっかけになったのではないかと疑われる」と説明しました。
執刀医2人は複数回のロボット手術の経験があるということです。
自身も、直腸がんの手術を、
手術支援型ロボット「ダビンチ」を使用した摘出手術を受けました。
この「ダビンチ」は、骨盤内にある臓器を摘出する際によく使用されます。
骨盤内は、多くの臓器が重なり、摘出がかなり難しく技術が必要となります。
人の手によると手振れがしたり不安定であるところを、
ロボットを使用することによって的確に行うことができます。
そのため、患者にとっては、傷口が小さく回復が早いメリットがあります。
しかし、そんな医療現場を近くで見ていて感じたのが、
この技術を身に付けている医師は、まだまだ育っていないように思えました。
この習得は、徒弟制度のように、指導医から医師に伝承されます。
ですから、とにかく経験を積まなければなりません。
そして、再発時の肺転移の際、
呼吸器外科で胸腔鏡手術を受けたときのことです。
手術室で、麻酔による深い眠りから覚め始めたとき、
「医療事故が起こりました。」
と、看護師さんに耳元で囁かれたのです。
病室に帰ってからも、意識が朦朧とする中、
この言葉だけが頭のなかをグルグルと回って、
何が起こったのかわからず、数日の間不安にすごしていました。
やっと回復し始めたころ、看護師さんに尋ねると、
手術の際、医師が傷口を縫っているところに、別の医師が手を出し、
患者(私)の血の付いた針が、その手を出した医師に刺さってしまい、
また、その医師の血も患者(私)の身体に垂れてしまったとのことです。
感染症に繋がる医療事故になるところだった、
その後、患者(私)とその医師の血液検査を行い何も問題はなかったとの返事でした。
そのことを、今度は病棟での主治医に尋ねると、
「この手術は医師にとっては入門編で簡単な手術です。
よくあることですから、何も問題はありませんよ。」との返事。
何も問題が起こらなかったからよかったものの、
医師にとっては、手術の回数をこなすことが重要なのかもしれませんが。
患者にとっては、手術を行う医師を選べません、入門編ではすまされません。
やはり、それなりの経験を積んだ技術や知識のある、
責任感ある医師にお願いしたいものです。
最後までおつきあいいただきありがとうございました。
皆様にとって素敵な一日になりますように。