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ダイヤモンドオンラインの気になった記事です。
外科医が教える「無くても生きていける臓器」と「無しでは生きていけない臓器」
現在の自身の身体には、子宮と直腸、二つ臓器がありません。
子宮は、30歳代のころに子宮筋腫で子宮全摘となり、
直腸は、4年前の直腸がんのため全摘しました。
この記事を読んで、
「臓器がなくても生きていける」という言葉に目がとまりました。
いま、確かに、二つの臓器が無くても生きていますが、
臓器には、
「無くても生きていける臓器」と「無しでは生きていけない臓器」があるということ。
あらためて、自分の身体のことなのに何もわかっていないなと知らされました。
外科医けいゆうさんの書おろし「すばらしい医学」の内容の一部です。
臓器の役割
私たちの体に無駄な臓器は一つもない。
ただし、「なくても生きられる臓器」は多い。いくつか例をあげてみよう。
胆石などが原因で、胆嚢を摘出する手術を受ける人は多い。胆嚢は、なくても生活に大きな影響を与えない臓器である。
肝臓でつくられた胆汁を一時的に溜めておく「ため池」が胆嚢であり、何かを産生するわけではないからだ。
大腸は摘出できる
大腸も、実はすべて摘出できる臓器である。
さまざまな大腸の病気で「大腸全摘」が必要になる。
もちろん、生活に不便が生じるのは事実だ。
大腸がないと便の水分量が多くなり、排便回数が増えてしまう。
大腸全摘は、やむを得ないときのみに行われる手術である。
一方、小腸をすべて摘出すると生きられない。
小腸は、生きるために必須の栄養分の吸収を行っているからだ。
点滴で栄養分を補えばある程度は生き続けられるが、
厳密にすべての栄養素を点滴のみで補うのは難しい。
ただし、数メートルもの長い臓器であるため、部分的に切除することは容易にできる。
膀胱は代役が必要
膀胱がんなどで、膀胱をすべて摘出することもある。
膀胱はなくても生きていけるが、「代役」が必要だ。
小腸を使って尿を溜める袋(人工膀胱)をつくるのが一般的である。
これを尿路変向術と呼ぶ。
腎臓は左右に二つあるため、片方を摘出しても生きていけるのはもちろんだが、
両方摘出しても生きていける。
ただし機械に腎臓の代わりをしてもらわなければならない。これが「透析」である。
肝臓をすべて摘出すると
もちろん、生きている限り定期的に病院に通って透析を受け続けなければならないため、生活に与える影響は大きい。
一方、肝臓をすべて摘出しては生きられない。
肝臓は五〇〇以上の化学反応を担う人体の化学工場といわれ、
その機能をすべて肩代わりできる機械は実用化されていない。
機能があまりに多様すぎるのだ。
ただし、肝臓がんなどの病気で肝臓を部分的に切除することはある。
健康な肝臓であれば、六~七割くらいまでは切除が可能だ。
残りの肝臓が再生し、もとの機能を維持するからである。
なお、腎臓や肝臓は他人から移植することができる。
肝臓も、他人の臓器で替えがきくという意味では、
全摘出は一応可能だ(なしでは生きていけないが)。
似たようなことは、肺や心臓にもいえる。
肺や心臓なしで人は決して生きてはいけないが、他人から移植することはできる。
胃はどうなのか?
では、胃はどうだろうか?
正解は、「すべて摘出が可能な臓器」である。
胃がんなどで、胃をすべて摘出する手術を「胃全摘」と呼ぶ。
また、胃を部分的に切除し、三分の一から四分の一ほど残す手術もある。
病変の位置によって胃を残せるか否かが決まるのだ。
膵臓の場合
胃のように、「すべて摘出はできるが、何かの補充が必要になる臓器」は他にもある。代表的なのが膵臓だ。
意外に思われるかもしれないが、膵臓は「すべて摘出が可能な臓器」である。
膵臓がんなど、膵臓の病気によって「膵全摘」を行うことはある。
膵臓の主な役割は、食べ物の消化に役立つ膵液を分泌することと、血糖値を下げるホルモン「インスリン」を分泌することだ。
よって膵臓をすべて摘出した場合は、これらの補充が必要になる。
特に、インスリンがないと血糖値は病的に上がり、即座に命に関わるため、
毎日定期的なインスリンの皮下注射が欠かせない。
「なくても生活できる」とはいえ、生活に大きな不便をもたらすのは事実である。
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第3章 驚くべき外科医たち
第4章 すごい手術
第5章 人体を脅かすもの
最後までおつきあいいただきありがとうございました。
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