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これまでの治療を終え、経過観察に入った、
前回の診察室での主治医との会話です。
「よく頑張りました。
本来なら、いまごろ、ここにはいませんでした。」
その言葉を聞いた瞬間、
自分自身の存在そのものが消えてしまったかのような錯覚に陥りました。
喜ぶべきところが、なぜか、ここにいない自分を想像してしまったのです。
これまでの、ことの重大さがわかっていなかったのか、
ボーッとしていたのか・・。
還暦をすぎて人生の終わりを意識しはじめてもなお、
自分の存在がなくなることが急に恐ろしくなりました。
医師にとってはよく使う言葉なのかもしれませんが、
患者の私にとっては、ショックな言葉でした。
そんな様子をみていた看護師さんが、
診察室を出たあと、
「よかったですね。」と声をかけてくださいました。
なぜだか、そのあとに出た言葉が、
「生き延びても、
何の役にも立たない自分が生きていてもいいのかなって思ってしまうんですよね。」
すると、看護師さんは、
「そんなに自分を蔑まなくてもいいですよ。
世の中には、悪いことをしても堂々と生きている人が大勢いるんですから。
堂々と生きていいんです。」
その言葉に、目の前の霧がさっと晴れたような気がしました。
どこまで生きられるかわかりませんが、一日一日を大切に生きますね。
ありがとう、看護師さん。
最後までおつきあいいただきありがとうございました。
皆様にとって素敵な一日になりますように。