やさしい日

小さなしあわせを見つけながら、やさしい日々を送っていきたいと思っています。

入院病棟、隣室が特別室であったこと。

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熱海の海

 

 

ご覧いただきありがとうございます。

 

2020年8月、コロナ第2波真っただ中、

大学病院へ入院していたころのお話です。

 

病室は個室にしました。

コロナ感染防止のためと、

直腸という特質な病状(便を貯めておく機能が壊れている)から、

便意をもよおす回数が多くなり、

どうしてもトイレが部屋にあるほうがよいと思ったからです。

 

差額ベッド代は、かんたんな入院保険に入っていたため、

それを充てることにしました。

 

病室は、ガラス張りの窓が大きく、空と木々の緑の景色が美しい、

ホテルのワンルームのような落ち着いたお部屋でした。

 

ベッドに横たわって、一日中ぼーっと景色を眺め、

日常を忘れ、ゆったりと過ごすことができました。

 

静かな日々も、何日かすると、隣室が騒がしくなりました。

 

隣室には、看護師さんが頻繁に出入りするようになり、

廊下から看護師さんの話し声が聴こえてきました。

『患者さんが、

「ベッドの位置を変えて欲しい」「家具を移動してほしい」

「話の相手をしてほしい」と言っている。』

 

どうも隣室の患者さんは、頻繁に看護師さんを呼び出している様子。

看護師さんは忙しいのです。

そんな勝手なわがままで呼び出したりしないであげてほしい・・。

 

あるときは、様子を見に来た医師に、

「こんな身体になって、これからどう生きていくのか。」と

高圧的な声が聞こえてきたりしました。

 

姿は見えませんが、どうやら70代くらいの男性患者さんのようです。

 

夕方、シャワー室を使うため、病室を出たときに、

その隣室のドアが開いていて、部屋の中の様子が窺がえました。

 

私がいる個室の数倍の広さの、

ベットルーム、リビングルームが付いた、

まるでホテルのスイートルームのような豪華なお部屋でした。

8階の角部屋です。

これが特別室!

 

廊下側からは、どのお部屋にも部屋番号の表示があるだけで、

特別室とはわからないようになっています。

 

高圧的な態度から、勝手な想像ですが、たぶんどこかの企業の社長さん?

これまでの人生来し方、このように人を見下し生きてきたのかな。

病に罹ると、その人の人柄が現れる気がします。

 

今はコロナ禍。

病院での面会は禁じられ、お見舞い客もありません。

あんなに広い特別室にぽつんと一人きり。

かえって寂しいばかりではないのかな。

 

その点、このお部屋、

なんでも手に届く範囲の広さでよかったと思いました。

 

最後までおつきあいいただきありがとうございました。

よい一日をおすごしください。

 

 

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