がん告知を受けて、しばらく絶望の淵に立たされました。
なぜこうなったのだろう、これまでの人生が間違っていたのではないか。
自身の人生が全否定されたような、そんな毎日を送っていました。
でも、しばらくすると、家族・親族・医療関係者の方々から、
とても大切にされている自分に気が付きました。
いままで、家族のために自分のことは二の次になっていることが当然で、
人にやってあげることがあっても、人からやってもらえることはほとんどありませんでした。
病になって、初めて、自分もひとから大切してもらえる存在であることをとても嬉しく思いました。
こんな言葉を見つけました。
「質量保存の法則」
物理学では、化学変化の前と後で質量は常に変わらないという法則です。
この法則を人間にあてはめると、
「失ったものがあれば得るものもある。」
失ったスペースに、そのスペースを埋めるように何かしら物が入ってきます。
いまスペースを埋めてくれるもの、
病になる前には、まったく気づかなかった小さな優しさです。