ご覧いただきありがとうございます。
「今年も満開の桜が見られました。」
がん罹患者に、生存率を問うセリフによく使われます。
実際に、毎年、桜の開花が待ち遠しく、そのことが希望にもなっています。
桜の花の散り際も潔く美しいのですが、
人間様は、ジタバタ、あたふたしております。
毎年4月が来るたび数えてしまいます。
今年で4年経ちました。
2020年4月に、直腸がんの告知を受け、何もしなければ余命3年と。
正直、余命3年て中途半端、3年て意外とある。
温泉にでも行ってゆっくりして、人生の後始末もきれいにできるかも。
これまで、自分のことは二の次にしてきたので、
自分の我儘を思いっきり受け入れよう。
ただ、子どもや周りの人たちになんと伝えたらよいのか。
子どもも既に独立し遠方に住んでいました。
”がん”なんて言ったら、態度が急変し面倒がられ去っていくのではないか。
自分自身も、そんなことを告白されたら対応の仕方がわからないし、
距離をおくかもしれない。
身体のことよりも、そちらの方が気がかりでした。
コロナ禍でもあり、心配をかけたくなく、しばらくは黙っていました。
迷いに迷って、告白したのは、4か月後の手術後。
こんなに人から心配されたのは生まれて初めてというくらい、皆心配してくれました。
なにより、今までどおり接してくれたことが嬉しかったです。
そして、生きることに無気力になっていた自分が、
だんだんと生きることにしがみつくようになっていることに驚きました。
生きてさえいれば、もしかしたらまだ楽しいことがあるかもしれない。
そんなふうに気持ちが変わっていきました。
ただ、現実的な話になりますが・・
長引けば長引くほど、治療費がかかります。
貯蓄を崩してのことですので、
子どもに遺してやりたいと思っていたものがどんどん減っていきます・・。
どうしたことか・・。
生きるってお金がかかります・・。
同じがん患者さんにも、
5年10年それ以上の長きにわたって、辛い治療にもかかわらず、
平気で乗り越えているお姿には、本当に頭が下がる思いです。
そんなお姿に、いつも励まされ支えられています。
最後までおつきあいいただきありがとうございました。
よい一日をおすごしください。