ご覧いただきありがとうございます。
映画「バービー」を観ました。
世界中で発売されているファッションドール、バービーを映画化したファンタジー。
ハッピーな毎日を送ることのできるバービーランドで暮らすバービーとケンが、
リアルワールド(人間の世界)に迷い込む。
バービーを『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』などのマーゴット・ロビー、
ケンを『ラ・ラ・ランド』などのライアン・ゴズリングが演じる。
監督は『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』などのグレタ・ガーウィグ。
“バービーランド”はどんな自分にでもなれる、夢のような場所。
そこに暮らすバービー(マーゴット・ロビー)は、ある日突然、体に異変を感じる。
バービーは原因を追求するべく、
ボーイフレンドのケン(ライアン・ゴズリング)と共に人間の世界へとやってくる。
そこでバービーは、自分の思い通りにならない経験をする。
この映画は、賛否両論あるようですが、
一見、ただのピンク一色のエンターテイメント映画のようですが、
内容的には、意外と思われるかもしれませんが、
社会問題を提起している深い内容だと思います。
(以下ネタバレになります)
特に男女の性差問題。
女性がお金も権力も握っているバービーの世界から、
現実の人間世界へ飛び込むと、そこは男性社会。
バービーを生み出したマテル社のトップ役員たちはすべて男性。
「この役員の中に女性はどうしていないの?」とバービーが尋ねると、
社長は、
「女性でなくても購買客の考えていることはわかるからね、女性は必要ないよ。」
現実の人間社会に紛れ込んだバービー。
すぐに職業を聞かれる。
「人に尊敬される職業、医師とか弁護士にはなれない、
そして女性は美しくなければならない、そうでなければ存在価値はないの?」
バービーは、バービーの世界にはなかった老いや死を恐れるようになります。
ある日、見知らぬ部屋の扉を開けると、
そこには、紅茶を飲みながら寛いでいるひとりの白髪の老婆が座っていました。
「あなたは、一体何をしてるの?仕事は何をしてるの?」とバービーが尋ねると、
「ゆっくりと寛いでいるのよ、
仕事?仕事ねえ、これまでに仕事以上のことをしてきたわ。」
後にこの老女は、自分の娘のために慰めとなるよう人形を産み出した、
バービーの産みの親であることがわかります。
この会話の中での「仕事以上のことをしてきた」
この仕事以上のこととは、家事や子供を育てることではないか・・。
医師や弁護士より尊い仕事、仕事以上の仕事、そう思いたい・・。
女性も男性も生きづらい時代、そんな社会を映し出しているようでした。
なにより、美の象徴であるバービー自身が、
自然であることへのナチュラルな美しさに気づいていくところが素晴らしかったです。
ただエンターテイメントとして見ても、社会問題として見ても、
楽しめる映画だと思いました。
最後までおつきあいいただきありがとうございました。
今日も一日おつかれさまでした。