ご覧いただきありがとうございます。
「希望病棟」 読みました。
病に罹って通院するようになり患者となりましたが、
どうも医師の前ではよい患者を演じてしまい、
心の声とは違うというモヤモヤとした気持ちになることがあります。
そんな患者の、心の裏側を晴らしてくれる小説です。
【内容詳細】
神田川病院に赴任した女医の黒田摩周湖は、二人の末期癌の女性患者をみている。
先輩のルミ子に促され、中庭で拾った聴診器を使うと患者の“心の声”が聞こえてきた。
児童養護施設で育った桜子は、大人を信じていない。
代議士の妻の貴子は、過去に子供を捨てたことがあるらしい。
摩周湖の勧めで治験を受けた二人は快方に向かい、生き直すチャンスを得る。
“従順な妻”として我慢を強いられてきた貴子は、驚きの行動に出て…!?
孤独と生きづらさを抱えてきた二人はどのような道を歩むのか。
患者の心の声(本音)が聴こえてくる聴診器。
頼りない女医の黒田摩周湖に対し、16歳で末期癌になった高校生桜子の心の声。
「そうだよ。最初から最善を尽くすとだけ言やあいいんだよ。
患者が聞きたいのはその言葉なんだよ。
結果がダメだったとしても最大限の努力をしてくれた。
そして、現在の医療ではこれが限界だった。
だから仕方がなかった。
そう思えばみんな納得できるんだよ。
人生には納得ってのが必要なんだ。」
末期癌患者二人目、代議士の妻の貴子の心の声。
「こんなクズ男のサポートをしている私の人生って、何だったんだろう。
このままの人生ではダメだ。
納得できる生き方をしなければ。
できれば夫とその一族から離れたいが、そうなると離婚後の生活の目途が立たない。
だがぐずぐずしてはいられない。
人間はいつ死ぬかわからないと身をもって知ったばかりだ。
もしも人生をやり直せるなら、何でもいいから社会に貢献したい。」
DNAの中に様々なスイッチがあることがわかり、
癌になるのは、癌を抑制するスイッチがオフになっているからだとわかってきた。
それをオンにする薬が開発されたので、
治験として投与されることになった二人は、
末期癌が見事に快方に向かい、生き治すチャンスを得る。
最後までおつきあいいただきありがとうございました。
よい一日をおすごしください。